55歳から動き出したこと

50歳の時、あと10年だと思っていた「働く」ということが、どうやら70歳までになったと気付いた時、あと20年もあると途方に暮れました。

離婚届を出しました

明日で結婚30年を迎えるという日、預かっていた離婚届を役所に提出しました。


特に何の感慨もなく、妙にハキハキと窓口の男性とやり取りしました。向こうは毎日の事だし、なんとも思っていないのでしょうけれど、やっぱり元気のない感じより、努めて普通に、なんだったら新生活を始めるに相応しい感じの方がいいように思ったのです。とは言ってもなんとも思われていないのですけれどね。


予め電話で問い合わせし、早めに住民票を取得するためには「離婚届受理証明」が必要で、少し待たされることが分かっていました。


夫に返すものがあり、お昼を一緒に食べることにしていたので、その前に提出し、食事を済ませてからまた戻ることにしました。役所からお店までは

徒歩で12分、夏日のその日には少し遠く感じます。ふと見渡すと見覚えのあるレンタサイクルが目に入りそれを借りて待ち合わせの場所に向かいました。


一度乗ってみたかった電動自転車、予定にない事が起きるのも好きです。

あと2〜300mというところで先に着いた夫が怪訝そうにこちらを見ています。

なぜ自転車?と思っているわけですが、昔から私は意外なことをしてみせることが多く、向こうも慣れているのかどこか面白がっているようなところもあり、大袈裟にびっくりした顔をしています。そんな感覚が懐かしくもあり楽しくもあり、私はケタケタと笑いながら近づいて行きました。


今日離婚しようとしている夫婦がこんなにほのぼのとした気持ちで会うのはどこか不思議でもあり、意外とこういう感じって多いのかもなと、何組かの離婚された芸能人夫婦の顔が浮かんだりしました。


食事中は子どもの話、親の話、仕事の話などしていましたが、そろそろ昼休みも終わるというところで、夫が「誰かに話した?」と聞いて来ました。29年も一緒に暮らしていたのですから、共通の知り合いだったり、どちらかの友人と親しくさせてもらったりしますので、私が個人的に話すことは夫のプライバシーに触れることにもなり得るわけです。

そしてこの質問の先には「できればあまり知られたくない」という思いがあることもわかりました。


仕事で夫とやり取りをしている私の友人だったり、夫の同期の女性が今では私の友人だったり、夫の友人が私の仕事の取引先だったりするわけで、言わなければわからない人もいれば、いずれ違和感が生じてむしろ言わない方が不自然な人もいます。


そこで私はかなり親しい、夫も知っている友人の名前を4名挙げ、あとは特に言うつもりはないと答えました。すると「まだ誰にも話していない」と言い、同僚と幼馴染みの友人には話しておこうかなと呟いていました。


言いたくない、知られたくないという事なのでしょうか。「なんで?」「どうしたの?」って聞かれてもきっと明確な答えがわからなくて、答えに困ってしまうからなのでしょうか。こういう時、私はいつも質問をしないし、そこに触れずに過ごしてしまうので、今回のことをどんな風に考えているのか今でもわかりません。結局、こうなったのも、こういうところが原因のひとつなんだろうなと思います。


2人で義母に離婚の報告に行ったあと、義母から「○さんは(私のこと)1人で生きていける人だからいつかこうなるような気がしていた」と言われたそうです。でも「俺も」「俺は」と自分の気持ちは言いません。言わない人と聞かない人が29年、そりゃあ喧嘩もしないわけです。


食後、生活費を引き出すための夫名義の銀行のキャッシュカードと自宅の鍵を返しました。そして向こうから何も言わないのでちょっと勇気を出して切り出しました。「よく財産分与って聞くけれど私たちの場合はどうなんだろうね。半年別居している間も生活費をいただいていたし、少しいただいて後は残しておいたから、この口座に100万貯まったし…金額はお任せするので少しいただけると助かります」


案の定「いいよ、口座教えてくれたらそこに入れるから」と言ってくれたので心の中で「この100万ってことじゃなくて。もっと多くてもいいのよ」と呟きながら、とりあえず口座番号を教えました。


お昼はご馳走になり役所に戻って無事に終わりました。少し肩の荷が降りたのは、財産分与的な話を切り出せたからであり、離婚についてはやはり感情は動かず、これからの生活を一人でやっていくことにもまだ実感がなく、引継ぎや手続きが全て終わって落ち着いたら、何か感情が湧いてくるのかもしれないなと思っています。


長文となりましたが読んでくださってありがとうございます。結婚30年を迎えるのもバツが悪いからと前日に提出したけれど、ここにたどり着くまでの道のりを少しずつ振り返りながら、そして新しく始まる生活を少しずつ記録していこうと思います。


また目に留まるような事がありましたらぜひお立ち寄りください。

よろしくお願いいたします。


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